「劇団東京フェスティバル」という劇団が、最近地元福島で「泡」という芝居を上演し、反響を起こしたという。
東日本大震災事故後の福島県いわき市小名浜のソープランドを舞台にした芝居。
去年、7月が初演らしいが、知らなかった。
新宿・歌舞伎町から流れてきたやる気のない女性。漁ができず気合が薄れていく船長。何かと言いたがりの原発作業員。少し極端な人々が繰り広げるドタバタ劇。
「泡」というタイトルにはソープの意味が含まれているが、震災後、さまざまな形で出現した「震災バブル」や震災や津波の被害でこれまで築いてきたものが失われたということで「水の泡」的なニュアンス。
東電から支払われている補償を「泡銭(あぶくぜに)」と称する批判などの意味など様々な意味が含まれているらしくて、それでだけでも深い作品であることが感じられる。
阪神大震災でも、被災した人に浴室を開放して入浴させてあげたという美談が語られる福原ソープ。
残念ながら、福原ソープを舞台にした芝居やドラマは生まれなかった。
芝居で舞台をソープに設定できる時代になったということなのか。
ソープを舞台にストーリーを創造できる才能がいなかったのか。
この芝居、やはり芝居業界関係者などからの批判はあったみたいで・・・。
しかし、芝居の中で復興のための融資を断られた店主が「風俗業への差別だ」と憤る場面もあるらしく、ソープを舞台にして何が悪いのかという作り手の堂々とした意思表明が感じられる。
ソープ業界に接している者としては、ぜひ見てみたいものだ。